開発者インタビュー

SAKURA craft_lab 開発者

SAKURA craft_labを立ち上げたきっかけ

代表取締役社長
西村 彦四郎
西村 彦四郎

サクラブランドの確立を目指して

サクラクレパスの商品は“描画材料”と“筆記具”という二つの柱があります。描画材料に関しては、サクラブランドはたくさんの方に親しんでいただいていてブランドもしっかりと確立されているのですが、反対に筆記具では、サクラブランドの認知度はそこまで高くはなく、業界の中でもトップグループではありません。そのため、元々筆記具においてもサクラというブランドをしっかりと確立していきたいというのが、会社の想いとしてありました。

文具店の高級化、雑貨化への対応

もう一つは、お客さまと売り場の変化があります。ここ10年ぐらいで文具店、専門店の業態がどんどん変わってきています。ライフスタイルが多様化していることから、今までのように筆記具だけを販売しているお店だけではなく、雑貨店のようになったり、お洒落な筆記具を販売したりというように状況も変わってきました。そのような大人を対象として、お洒落にまた高級化していく文具店では、サクラの主力商品であるクレパスやクーピー、絵の具というものが取り扱われにくくなってきています。こうした状況の中で、そういった小売店の変化に対応していかなければいけないということと、筆記具でもサクラブランドを確立させたいという想いが合わさって、新しい筆記具ブランドを作ろうと考えたのがSAKURA craft_labのはじまりでした。

西村 彦四郎

調査を通して知ったサクラブランドの魅力

サクラブランドを確立していこうとする中で、多くの調査を行いました。サクラブランドの認知度は高いだろうと想定はしていたのですが、いくつか新しい発見がありました。それは、サクラという言葉よりも、赤いサクラマークの認知度が非常に高かったということ。またサクラブランドに対して、「親しみやすい」「色鮮やか」「懐かしい」といったように非常に高い好感度を持っていただいていたこと、子どもの頃の楽しいお絵描きとの思い出と結びつくことで、サクラマークを見るとほのぼのと温かく楽しい気持ちになるということがわかりました。また私たちは今までサクラブランドは、“描画材料のブランド”“子ども向けの商品ブランド”といったように子どもブランドとしてのイメージが強いため、逆に大人向けの商品や筆記具にサクラブランドを付けることはマイナスイメージを与えるのではないかと考えていました。そのため、サクラブランドを強く打ち出さず、商品名を強く打ち出していたんです。
しかし、調査していく中で、サクラブランドに凄く良い印象を持っていただいていることがわかり、なぜもっと大人向け商品や筆記具にサクラブランドを打ち出さないのか、という意見が多くありました。我々の筆記具市場においてブランドを確立させたいという想いと、筆記具でもサクラブランドは受け入れられるという調査結果がSAKURA craft_labを開発する上で、後押しとなりました。

日本の場合(アメリカでもそうですけど)、商品ブランドをメインに打ち出すことが多いんです。ですから商品ブランドの認知度は高くても、どこのメーカーの商品か皆さん結びついていないことも多いわけです。ヨーロッパなどでは商品ブランドよりハウスブランドを強く打ち出しますよね。モンブランとか。筆記具の市場ではサクラクレパスは決して強者ではなく、これから追いかけるチャレンジャーの立場です。今後はそれぞれの商品ブランドを打ち出すのではなく、サクラというハウスブランドをメインとして打ち出して行くことで、筆記具の世界でもサクラブランドを確立していこうとしています。

SAKURA craft_labのはじまり

今回のプロジェクトがスタートし、非常にこだわりを持ってメンバーともディスカッションを行う中、“SAKURA craft_lab”が生まれ、徐々に形のあるものに確立していきました。SAKURA craft_labシリーズの名前の付け方も明確になり、001、002、003、、、のようにナンバリングすることで、息の長いブランドに成長していってほしいという想いを込めました。

SAKURA craft_labは、筆記具において、世界中のどの商品よりも明確なアイデンティティを持ち、こだわりを持った商品であり続け、SAKURA craft_labだけの魅力をもった商品であり続けること、そして、それに共感して、SAKURA craft_labを愛する人々と共に商品を成長させていくべく、これからも歩み続けていきます。